舌癖とMFT(筋機能療法)

 口は食物をかんで飲み込む消化器官の役割だけでなく、鼻呼吸を補い声を発するとゆう呼吸器官の役割も果たしています。このため口腔周囲の多くの筋が動員され、口唇、頬、舌、咽頭や顎骨、頚椎の関節の働きを支えています。  

 

 ただし成長期にこれらの筋の機能不全や機能異常(舌癖)があると、顎骨と歯列にアンバランスが生じてさまざまな咬合異常が発生します。舌癖とは、舌の位置が悪く下にさがったり前に出ていて、正常な飲み込みができないとゆう舌の習慣のことです。 

 

 舌癖の原因としては、  

@ 鼻やのどの病気のため口呼吸である  

A 指しゃぶりや舌突出癖などの習癖    

B 舌の下のひも(舌小帯が短い)       

C 遺伝 

D 巨大舌

E 舌の運動能力が低い

F 歯の早期接触、咬合干渉  などがあげられます。 

 

また、舌癖をそのままにしておくと 、 

 

@ 歯並びへの影響  …開咬、上顎前突、下顎前突、交叉咬合など 

A 口元と側貌への影響…口元の突出、口唇閉鎖不全、猫背、二重あご 

B 機能面への影響  …前歯で噛めない、異常嚥下、不明瞭な発音、浅い呼吸、 

                口呼吸による虫歯や歯周病、矯正治療の遅れや後戻り                       

C 心理面への影響  …恥ずかしさ、劣等感   
 

などの影響を及ぼすことが考えられます。   

 

舌癖の治療は考えられる原因を除いていくことですが、なかでもMFT(筋機能療法)はそんな舌癖の機能的な原因を除く筋肉トレーニングです。悪習癖をなくして、咀嚼・嚥下・発音などの正しい動きをマスターすることで歯にかかる余計な圧力をなくします。

 

矯正治療によって口唇閉鎖のしやすい口元と、鼻呼吸・咀嚼・嚥下のしやすい環境を整えること、MFTによって口唇と舌の筋トレ、ならびに咀嚼筋活動の正常化を重視します。この結果、患者さんの顔貌と咬合が改善し、治療後も長期安定が得られるようになります。

 

正しい舌の位置は、上の前歯のすぐ後ろ、ひだひだの部分にある「スポット」に舌の先(舌尖)が着いている状態です。 

 

ご自分やご家族の舌癖チェックをしてみましょう。次の項目にいくつか当てはまれば、筋機能の動きに問題があるといえそうです。   

 

チェックリスト  

□ 安静にしている時、舌が前歯や唇に触れている

□ 無意識に口をポカーンとあけていることが多い

□ 口角が下がっている

□ 食事中、食べ物が口からよくこぼれる

□ さ行、た行が言いにくい

□ 口の中にある食べ物が見えやすい

□ 唇をあけたまま物が飲み込めない

□ 飲み込むときに歯の隙間から舌が押し出される  

 

程度にもよりますが、成長期に舌癖の改善を行うと、それだけで歯並びがよくなって矯正治療が必要なくなることもあります。また、大人の方でもMFTによって唇の形や顔立ちも変わります。また、姿勢がよくなり鼻呼吸が確立されると、風邪を引きにくくなり疲れにくくもなります。